メス化とはいえない?
Biology Lettersにアクセプトになった論文の内容を簡単に説明しておきます。キチョウでは、オスの染色体を持った個体がボルバキアによってメスに性転換されていると思われていたのだが、実はそのような個体の染色体はオス型ではなくメス型であることがわかった。つまり、染色体も表現型もメスということになる。ところがボルバキアを除去するとオスになることから、そのような系統ではボルバキアなしではメスになれないということになる。要するに、メスになるための機能が破損しており、それをボルバキアが補っていると考えられる。また、メスにおける減数分裂が歪められることによって、オス型の染色体を持つ個体が生み出されなくなっていることが分かった。オーストラリアとの共同研究。
Kern P, Cook JM, Kageyama D*, Riegler M* (2015) Double trouble: combined action of meiotic drive and Wolbachia feminization in Eurema butterflies. Biology Letters (accepted)
*corresponding authors (equal contribution)