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タスマニアデビルのガン

タスマニアデビルで良く知られているガン(デビル癌などともいうらしい)も、先日紹介したイヌの感染性ガン細胞と同じように感染性をもっており、単一の起源をもっているということがわかったらしい。ただし、イヌのものとは違ってかなり最近に出現したらしい。

  • Murchison et al. (2010) The Tasmanian devil transcriptome reveals Schwann cell origins of a clonally transmissible cancer. Science 327: 84-87.
  • Murchison et al. (2012) Genome sequencing and analysis of the Tasmanian devil and its transmissible cancer. Cell 148: 780-791.


以下、wikipediaより
デビル顔面腫瘍性疾患 (DFTD)

デビル顔面腫瘍性疾患(英:Devil Facial Tumour Disease, DFTD)は、タスマニアデビルの顔面や頚部に発生する致死性の悪性腫瘍(癌)である。単にデビル病(デビル癌)とも呼ばれる。繁殖や餌の争奪時における咬傷を通じて癌細胞自体が臓器移植のように他のデビルに直接伝染するとみられている。1996年に初めて発生が報告されてから被害は急速に拡大しており、2009年時点で個体数は70%減少し生息域の60%に疾患の発生が見られるなど、何らかの策を講じない限り今後50年間で野生のタスマニアデビルは絶滅する恐れがある。

多くは口の周囲に発生し、徐々に頭部・頚部など周辺組織に浸潤して病変部は拡大してゆく。転移する頻度は高く、主にリンパ節・肺・脾臓などが侵される。腫瘍の肥大化により口や目が塞がれ、餌を取れなくなることで餓死に至る。多くは発症から6か月以内に死亡するが、1年に及ぶ生存例も少数ながら報告されている。長期生存個体の免疫学的・遺伝学的解析が期待されるものの、2009年末の時点で有効な治療法は確立されていない。 2008年7月26日のタスマニア地元紙マーキュリーにて、変異した病原体が、少なくとも9体発見されたという報告が発表された。


重篤なDFTDに罹患したデビル