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昆虫と微生物の研究とアート

共生細菌の世界

共生細菌の世界―したたかで巧みな宿主操作 (フィールドの生物学)

共生細菌の世界―したたかで巧みな宿主操作 (フィールドの生物学)


私は、この本の章の扉絵を担当させていただきました。絵はともかく、内容はとても面白いので是非見てください。著者の内面や考え方などもよく表現されています。


目次
第1章 仁義なき内部共生の世界
内部共生微生物とは/新しい宿主への移動戦略/共生微生物に頼り切る虫たち/ちょっとお得な共生/宿主の娘だれが大切なわけ/息子を殺される宿主/感染オスに仕込まれた罠
第2章 共生細菌の研究をばじめて
ありがちな思春期/卒業研究との出会い/予想外の実験結果/論文の難解な英語/不可解な系統関係の原因/ボルバギアは何をしていたか?
第3章 研究成果が得られたら
研究を発表しておくわけ/学会に参加してみる/国内での学会発表/難航する論文書き/もっと身近に研究を
第4章 性転換するチョウ
二重感染のチョウ/メスだらけの島/メスしか生まないチョウ/なぜ娘ばかりなのか/感染パターンの地理的分布
第5章 細胞死が引き起こす宿主奇形
細胞ごとにオスとメスがある/共生細菌が消えると死ぬ!?/生き残ったチョウは奇形/オスでもメスでもないチョウ/蛹大量死の謎
第6章 オスでもメスでもない個体の細胞内
オスとメスの決まり方/見つからない遺伝子/性転換個体の遺伝子発現/互いの存続をかけた駆け引き
第7章 研究を自分の中でどう捉えるか
学生でも給料と研究費を/驚きに満ちた共生の世界/哲学の博士と呼ばれるわけ/応用と基礎という研究の分け方/サイエンスとテクノロジーの違い/職業としての研究