大学院生に贈るささやかなアドバイス
本気で研究者になるために、大学院時代に何をすべきか?一流の研究者によって書かれた正直で真摯な意見が書いてあるページをみつけたのでリンクしておきます。
- Some modest advice for graduate students(by Stephen Stearns)
この文章は、1976年にカリフォルニア大学バークレー校において若い研究者Stephen Stearnsによっておこなわれたセミナーのハンドアウトが元となっている。
そのころ、ブリティッシュコロンビア大学から移ってきたばかりの著者は、すでに異動前の仕事をセミナーで話し終わっており、他に生物学の話題で話すことがなかった。そのことを知っていたにも関わらず、教授は彼にセミナー発表をするように頼んだのだ。頼んだというよりいじめのようなものだったと彼は述べている。
そのとき突如彼に沸き上がった反逆的な精神から、このようなセミナー発表をしたというわけである。その内容は皮肉的だとされているが、私にとってみると、非常に正直な考えであり、鋭く本質をついているといえる。彼にとってみれば、一度限りのつもりで行ったセミナーなのだが、その時のハンドアウトのコピーが、その後10年間も大学院生を中心に全米を駆け巡ることとなった。
もともとのタイトルは、Cynical aids towards getting a graduate degree, or psychological and practical tools to use in acquiring and maintaining control over your own life.
以下のリンクは、セミナーの内容を彼とともに考えたRaymond Hueyによる文章。
- Reply to Stearns: Some Acynical Advice for Graduate Students (by Raymond Huey)
大学院生を自分の研究のために手足のように使っている研究指導者たちの目には、このような文章はとんでもないものに映るだろう。大学院生には、自衛のためにもこの文章をこっそり読んでおくことをオススメする。もちろん、なかには立派な研究指導者もいらっしゃいます。自分のことを振り返ってみると、いい環境で大学院時代を過ごしたなとしみじみ感じる。