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昆虫と微生物の研究とアート

共感覚ってすごい!

異なった音の高さの隔たり(音程)ごとに違った味を感じるという「共感覚(synaesthesia)」についての記事が最新号のNatureにのっていた。27歳の女性ミュージシャン(音楽家?)がその共感覚の持ち主で、短2度(minor second)は酸っぱい味、長2度(major second)は苦い味、短3度(minor third)はしょっぱい味・・・5度(fifth)は透き通った水の味、短6度(minor six)はクリーム・・・オクターブ変わると味なし、という風に音程とそれを聞いたときに感じる味との間にはっきりとした対応があるらしい。彼女にいろんな味を味わいさせながら聞いた音程を当てさせるというシンプルな実験で音程どおりの味を味わっているときの反応スピードがそうではないときに比べて明らかに速くなっていた。味を実際に味わいさせるかわりに文字でそれを見せたときには音程とそれに対応する味が一致しててもしてなくても反応スピードに違いは見られなかった。

共感覚とは誰にでも備わった能力であり、ふつうはそういう感覚を感じないように何らかの理由でマスクされているものが一部の人ではそれがむき出しになっていると考えらることができる。こういった現象を手がかりにして脳のしくみや意識についていろんなことが明らかになっていくのかもしれない。

Beeli et al. When coloured sounds taste sweet. 434: 38 (3 March 2005).